食物アレルギーについて

食物アレルギーについて

食物アレルギーとは、食べたり、触ったり、吸い込んだりした食物に対して、体を守るはずの免疫のシステムが、過剰に反応して起きる有害な症状(じんましんやかゆみ、せき、嘔吐など)をいいます。

患者の数は?
食物アレルギーは、0〜1歳で最も多く発症します。有症率(病気を持っている割合)は、1歳児で約10%、小学生で4〜5%といわれています。ひとクラスに1〜2人は必ず食物アレルギーの患者さんがいる時代になりました。

アレルゲンは?
アレルゲンになる食品は年齢によって異なります。0〜1歳の頃は、鶏卵、牛乳、小麦の順に多く、幼稚園頃まで変わりません。幼稚園の頃は、ピーナッツやそばが増え始める時期です。小学生以降、エビ、カニや果物などが特に増えてきます。このように、食物アレルゲンは年齢によって変化します。

治るの?
年齢が小さいときの食物アレルギーは小学生以降の食物アレルギーより治りやすい傾向があります。しかし、全員が治るわけではありません。適切に検査をして、食物負荷試験で食べられるものは可能な限り食べていただくことが何より大切です。

検査は?
1.十分な問診
2.血液検査
(アレルゲンに特異的なIgEを調べます:一部検査できない場合もあります)
3.皮膚プリックテスト
(皮膚にアレルゲンを少量つけることでアレルゲンに対する反応を見ます:特にIgEが調べられないものを調べます)



4.食物除去試験
5.食物経口負荷試験  
などがあります。
同時に30種類以上の検査を行う方法(MAST33)や患者様本人以外の血液検査を要求するような検査は、通常アレルギー専門医は行いません。

食物経口負荷試験について



時間をかけ摂取していきます



万全の体制で実施しております。

特に、食べられるかどうかを確認する目的で行う検査が食物経口負荷試験で、食物アレルギーを診断治療する上で最も重要です。当院は、アレルギー専門医・指導医の資格を持つ院長が、大学病院時代から多くの負荷試験を行ってきました。当院での2020年度の負荷試験症例数は約500例と県下では獨協医大小児科についで多く、通算症例数は4000例を超え、栃木県下第二位の実績を有しています。負荷試験はアレルギー専門施設でも年間50例を超える施設は10%前後といわれ、当院の症例数は全国でも最高水準です。
但し、食物経口負荷試験は完全に安全といえる検査ではありません。実施する際には十分な説明を行い、インフォームドコンセントをとってから行います。そのためこの検査はすべて予約制です。ご希望の方は、医師・看護師までお声かけください。

エピペンを処方された患者様とご家族の方へ